夕方からダイビング器材メーカTUSAでダイブコンピュータの開発に携わっておられた(現在は退社)今村昭彦氏による「ダイブコンピュータの基本メカニズムと減圧症の予防」という講演会があり、参加しました。参加者は市内のダイビングショップスタッフです。
3時間ほどの講演で、M値やシミュレータを使用した窒素蓄積の変化、体内のコンパートメントによる窒素の吸収排出の違い、ダイブコンピュータの問題点、減圧症を防ぐためのリスクマネジメント等盛り沢山でした。
しかし、今日の内容はインストラクターとして、ゲストを連れてガイドをするスタッフなら既に知っていなくてはならない事ばかりです。
ここで公演の内容は書けないので、これだけは知っておいて欲しいというダイビングパターンを載せます。
危険なダイビングパターンです。平均水深15mの長時間のダイビングは、窒素の排出が遅い組織への窒素の蓄積が多くなり危険です。平均深度と時間に要注意です。
安全な潜水パターンです。最初に深い水深へ行き、段階的に浮上すると、窒素の排出が遅い組織への窒素の蓄積が少なく、ダイビング中に蓄積した窒素の排出がスムーズになります。
減圧症を防ぐためのリスクマネジメント
1.急浮上を絶対にしない。 安全停止後の水面までの浮上には1分ぐらい掛ける。
2.ダイビングの始めに最大水深に達し、後はゆっくり浮上して行く。
3.最大水深よりも平均水深×潜水時間に注意を払う。 平均水深15m以上、潜水時間45分以上は危険。
4.ダイブコンピュータが示すむ減圧潜水時間に対して、水深が浅くなるほどマージンを加える。
5.どの水深においても減圧潜水を行わない。特に浅い水深での減圧潜水は危険。
6.水面休息時間は90分以上取るのが理想。
7.ダイビング後の高所移動には十分注意を払う。
8.安全停止は状況に応じて3分以上取る。
9.連日のダイビングを行う場合、3日に1日は軽く抑える。
以前から申し上げていますが、ゲストの皆さんは、潜水深度や潜水時間のコントロールをガイドに任せっ切りにしていませんか?コンピュータを使ってダイビングを行う以上、取り説を良く読み、減圧症に対する知識をしっかり持ち、自分でリスクマネジメントをしなければなりません。減圧症の事ばかりではありません。ダイビングを行う場合、自分でリスクマネジメントを行うのは当然です。ガイドに任せっ切りにしないようにしましょう。
詳しい事はご要望があれば講習させて頂きます。