天気:☁☂/風向:ENE/気温:29.1℃/水温:26℃
また台風です。ホントにもういい加減にして欲しい。マジで心が折れそうです・・・😭
水温が下がって来て白化現象の進行は止まったようです。
見た目ですが、元に戻りつつあるサンゴや戻ったサンゴが見られます。死んでしまって海藻が生えているサンゴもあります。イソギンチャクは白化して触手がかなり細くなったものもあります。
白化後海藻が生えたユビエダハマサンゴ
此処のポイント(下の写真)はサンゴが生き生きしていて小魚が沢山います。サンゴの上や隙間にテンジクダイ、スズメダイが沢山います。浅くて明るいのでサンゴも魚もキラキラしていてパラダイスです。
写真の種類のサンゴは他のポイントでもほぼ白化せず夏を乗り越えました。この写真の場所は浅くこの種のサンゴが広範囲に広がっています。そしてこの浅瀬の南側は少し急な斜面になっていますが、その斜面に棲息しているサンゴの種類は多く(枝状のスギノキミドリイシ、トゲスギミドリイシ、ツツミドリイシ、葉状のウスコモンサンゴ等)白化していません。浅瀬は同じ種類のサンゴが群生しているので、このサンゴが比較的高水温に強く、長い時間の間で生き残っているのかも知れません。他のポイントでも他の種類のサンゴは白化しましたが、この種のサンゴは白化していません。高温に強いだけではなく(ホントそうかどうかは分かりませんが)、環境条件も影響してるかも。
ここの場所は年間通して比較的透明度が良くない(紫外線が遮られる)、水温は高くはなるが、深い方から少し低い温度の海水が上がって来る(潮流がある)※1、内湾の浅瀬なので、ちょっと風が吹くと波が立ち(洗面器の中で波を立てたような感じになるのかも)、その波が適度に海水をかき混ぜてるかも知れない。
※1ここは名蔵湾の中で、名蔵湾はクレーターの様な凹(水深は様々で深い所は40mぐらいある)が沢山あって、その幾つもの凹の底までに行ったことあるけど、大体濁っていて夏でも水温が低い。そういう海水が潮流などで少しずつ浅瀬に上がって来ているかも。
枝状サンゴの根元には海藻が生えている。
海藻が生えると一見サンゴが白化した後に海藻が生え傷んでいるように見えるけど、これは写真真ん中にいるルリホシスズメダイ(見え難いです)がポリプを剥がして海藻を生えさせ海藻畑を作ってそこを縄張りとして生活しているのです。自然の営みの1つで、このせいでこのサンゴが枯れることはありません。すくすく育ってます。
海藻はルリホシスズメダイの餌になりますが、海草が生えるとそこに小さなエビやカニ、色々な生き物が棲み込み、ただサンゴが生えているより生産性が格段に上がります。
サンゴが生えることで平らだった海底が立体的な構造になり、そのサンゴにまた他の生き物が棲み込むことでより豊かな状態になるのです。元々南の海は栄養が少く貧弱な状態なのですが、サンゴが生えることで多種多様な生物が棲み、豊かな生態系ができあがっているのです。だからサンゴが無くなると大変な事になります。
今、高水温による白化や、海洋酸性化でサンゴが危機的状態になりつつあります。どちらも原因はCO₂の大量排出です。ある研究者の計算だと、このまま人間がCO₂の大量排出に対して何もせずにいると、2030年代にはサンゴが無くなってしまうと言ってます。サンゴが無くなれば当然他の生き物も減ります。
ダイバーの皆さん、ダイビングでマンタやカメを見る、生き物の写真を撮るだけで終わらず、(荒らすなど以ての外です。みんな気付かない内に結構ダメージ与えてますよ)せっかく海中の中を覗く技術を身に付けているのですから、前述したようなことも頭の片隅に置いて頂いて、ダイビングしてください。そして、いつの世までもこの海が残っていくよう普段の生活の中でできる事をやって下さい。お願いします。