石垣島ダイビングショップ SENSE OF WONDER

今年一番の大仕事

天気:☁/風向:ENE/気温:21.3℃

 今日は慶応大学の地誌学のゼミでお話をさせて頂きました。オンライン授業です。内容はサンゴの事です。緊張しました(^_^;) 

 今回の授業のお話を頂いたのは夏だったのですが、本格的に準備に入ったのは1カ月前くらいからで、毎日試験勉強するように準備してました。高校の授業で使っているパワポ資料を今回の授業用に作り替えたのですが、色々々調べているとどんどん内容が増えて行って、まとめるのに大変でした。起きている間は常に授業の事が頭にあって(走ってる時も考えてて、マンガみたいだけど、マジで一度木ににぶつかった・・・ホントにこんなことあるんだって感動した(^O^))、あ~でもない、こ~でもないって考えてました。授業直前まで資料作ってました(^O^) 

 授業の準備以外に私はオンライン何とかをやったことがなくて、その準備にも手間取りました。実はこの授業は先週の企画だったのですが、私がオンラインの準備にてこずり時間が無くなり、今日に繰り越しになったのです。南の島のジジイが、学生さんの貴重な時間を潰してしまい申し訳ないことでした。先生にも大変ご迷惑をお掛けしました🙏

 私にとってこの授業は今年一番の大仕事でした(^O^) 授業が終わった今、試験が終わったような感じで清々しく物凄い開放感です(^O^)

 内容はサンゴのお話なのですが

 サンゴ礁海域は、全海洋底面積の0.1%ほどなのに、魚類の25%が住んでいて、100~300万種ぐらいの生物が棲んでいるのはなぜなのか?とか・・・

サンゴの繁殖方法とか

サンゴ礁とは何か?とか・・・

石垣島の過去のサンゴ礁の痕跡が見れることとか・・・

石垣島には6000年前のサンゴ礁、12000年前のサンゴ礁、24000年前のサンゴ礁の痕跡を見ることができます(下図)。みんなサンゴ礁の上で生活しているのです。

白化現象のことや

海洋酸性化のこととか

石垣島のダイビングポイントの幾つかでpHを測ってみたら、8.0に達することがなかった。元々海水のpHは8.01ぐらいの弱アルカリ性です。石垣島の海でも酸性化が進んでいるということなのでしょうか?

私的にはウミウシの数が減っているように感じるのが気になります。ウミウシは発生過程で貝殻を持ちます(元々巻貝の1種)。酸性化が起きると石灰質でできている貝殻を作り難くなり、それが影響で成長できないのではないかと思ったりしてます。

サンゴの骨格も石灰質なので酸性化が進むとサンゴの骨格ができ難くなり、サンゴが育たなくなる可能性があります。ある教授の話ですが、このまま海洋酸性化が進むとサンゴは2030年代に壊滅するとまで言われてます。

白化にしても海洋酸性化にしても、台風の強大化にしても原因は大気中のCO₂が増え過ぎたことです。CO₂が増えると、温室効果で温暖化が起きて海水温が上がる、それで台風が強大化する。また海中へのCO₂の溶け込みが増え過ぎると海水が酸性化します。

いずれにしてもサンゴに悪影響を及ぼします。サンゴは海水中のCO₂を吸収(熱帯雨林の2倍の量)してますから、サンゴが無くなると海水中のCO₂が増えて、海水中に溶け込む大気中のCO₂の量が減りますから、温暖化が加速します。

温暖化で南極の氷、氷河が解け出しています。そして温暖化で海水温が上がることで海水が膨張することが加わり海面が上昇し始めています。日本では顕著な影響は出ていませんが、太平洋の真ん中にある海抜の低い島では既に海岸が侵食されたり、島の中にまで海水が入り込んで来て人々の生活に影響が出ています。

結果、生活が苦しくなり、ストレスで家庭内暴力が増え、子供が殴られる、未成年を含む女性が売買される性的搾取が増えているという報告もあります。

先進国の快適で便利な生活(CO₂の大量排出)が南の島の自然や生活の悪化を引き起こしているのです。

CO₂の排出削減は本当に地球規模の緊急課題です。とりあえず私たちにできることは、節電、節水、節燃料など一般的によく言われていることを行うことです。1人1人の節約量は大したことありませんが、実際みんなが真剣に行えばかなりの量になります。やりましょう!私たちの行動は南の島の人たちの生活の悪化を少しでも緩和することができると思って。

海洋ゴミはマイクロプラスチックになり、それを海洋生物やサンゴが誤食してダメージを受けます。

下の写真は石垣島の御神崎の近くの海岸の有様です。とんでもない量のプラスチックゴミが漂着してます。この光景は陸からは見えません。

ちなみに石垣島名蔵にあるマングローブの湿地帯の奥にもゴミが蓄積しています。これも人目には付きません。海中のゴミもダイバーでなければ見ることができません。人目に付き難いというのが問題です。積極的に動いて何とかしなくてはなりません。

今年は海に出ていて水面に浮いているゴミが凄く目に付きました。

高校の授業で水面のゴミの回収を試みましたが、たった10分で、下の写真のゴミが回収できました。化学繊維です。どれだけのゴミが漂っているか想像ができません。回収は容易なことではないので、ゴミを出さないことです。物凄くシンプルなことです。ゴミをきちんと処理すれば良いだけの話です。

っていうような話をしました。

陸や大気中の問題は最後は海に影響しますが、海の変化はまた陸に影響を及ぼします。返って来ます。そして、海の変化はゆっくりです。影響が出るのも回復するのも遅いです。熱し難く冷め難いのです。だから、今直ぐに何とかしないとなりません。

サンゴや海洋生物、自然を守ることは自分たちの未来を守ることに繋がります。

自然からの恵みに感謝し、自然や生き物を恐れ敬うことは生きていくために最も必要で大事なことです。忘れないようにしましょう。 

日常生活の中で、今できることから、個人でもできることから、即始めましょう。

さあ、今から一人お疲れ様会です。ケーキ食べようッ(^O^)

そして、今度は年明けにインストラクター対象の講習を行うので、また試験勉強が始まります😱

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