石垣島ダイビングショップ SENSE OF WONDER

冬のバイト

天気:☁☀/風向:NE/気温:24.4℃

 今日から海の仕事が無い日は冬のアルバイト。

 今年はビーチのゴミ拾い。石垣島の北の東側の海岸に漂着しているゴミを回収する仕事です。

 私は学校の授業で海洋ゴミの事も取り上げているので興味深い仕事です。

ビーチには、ペットボトル、発泡スチロール、プラスチック片、ブイ、缶、瓶、ロープ、漁網など色々な物があった。冷蔵庫もあった。瓶や缶の類は沈むから海岸には漂着し難い。やはり圧倒的に多いのはペットボトルと発泡スチロール。

発泡スチロールは軽く劣化しやすいので細かく砕けて風に飛ばされビーチの奥まで散らばっている。東海岸のビーチの奥は高くなっていて海浜植物帯になっているので最終的に飛ばされたゴミはその植物帯で止まるのだが、その植物帯の手前には下の写真の様なハマゴウ地帯があってそこに砕けた発泡スチロールが引っ掛かる。引っ掛かった発泡スチロールはかなり劣化していて、掴むとボロボロと砕ける。こうなると数が多くなり回収し難くなる。漂流している間は塩水に揉まれ紫外線に当たり、浜に打ち上ってからも強い紫外線や風雨に晒され、最終形態みたいになっている。更に風に晒されると砕けて空気中に舞い上がり陸地奥まで拡散する。陸から出たゴミが最後は形(手が付けられない形)を変え結局陸に戻って来るのだ。

30分もすると、このぐらいの量が3袋ぐらいになる。

ペットボトルもあっという間にこんな量が3袋ぐらい。とにかくペットボトルは多い。

マンタやカメに会える海、色とりどりの魚が泳ぎ、サンゴがきれいな海、青い海白い雲・・・緑豊かで自然いっぱいの癒される南国の島の現状です。

海岸の漂着ゴミは注目されていて色々な団体や個人がビーチクリーンを行っているが、島のゴミ問題は海岸だけではない。陸も負けないぐらいゴミだらけだ。

回収作業をしていて思うのは、ゴミが多過ぎるという事だけではなく、漂着ゴミ特有かも知れないが劣化が激しいという事。波に揉まれ、紫外線を浴び、風を浴び・・・だから最終的に細かく砕けてマイクロプラスチックになり、それがまた海に流れ出す。マイクロプラスチックは海水に対し比重が大きくなるので海水中を漂い続け、生物に害を与える。マイクロプラスチックは回収は不可能。

5~6人で2日間掛けて狭いエリアでトン袋が15個。まだ茂みの中や砂に埋まっているものもあるだろうから、この量は何パーセントにしか過ぎないだろう。いや、海洋中にはとんでもない量のゴミが漂流しているはず。

ゴミのほとんどは陸が発生原。一旦海に出てしまうと手が付けられなくなる。当然のことだが、全回収は不可能。だから「ゴミを出さない」という事しかない。回収作業をし続けることは重要。マイクロプラスチックを少しでも出さないようにするために。

今更だけどとんでもないゴミの量だ。インドネシアの島々では海岸で水上生活をしている人たちの家の下には(海上に高床式の家を建てて棲んでいる)、プラスチックゴミが漂着し水面が見えない状態になっている。

地球温暖化で海面上昇が起き始めていて、太平洋の島々では島が水没し始めている。海洋ゴミで漁業ができなくなったり、衛生状態が悪化している。私たちの活動が遠い所の人たちの生活を脅かしている。私たちは日々考えて行動しなければならない。

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