2016/6/10/Fri
数年前石垣島で減圧症が多発し、八重山病院の治療担当医から警告され、新聞にも掲載されました。
それを受け、八重山ダイビング協会安全対策委員の私が、その時点で調べられるだけの予防策や注意事項をまとめ、協会員にメールしました。メールした直後にインストラクターが減圧症に罹ってましたよ・・・。
その後は発生件数が減ったのですが、2~3年後にまたちょっと数件発症し、またメールで注意喚起しました。
最近は発症を聞かなかったのですが、私の耳に入っていなかっただけで、何件か発症していたようです。
そんな経緯の中、減圧症に罹り入院治療していたダイバーと知り合う機会があり、今後の八重山での減圧症予防のためにと、お話を聞かせて頂きコンピュータのデータを見せて頂けないかとお願いしたところ、快諾して頂き貴重な資料を得る事が出来ました。
コンピュータのデータを時間と水深でグラフ化し、そのグラフや本人のお話から、発生原因や予防策を分析し、減圧症発症事例報告書として協会のHPに掲載しました。今は掲載していませんが、センスオブワンダーのHPで見る事が出来ます。
その報告書をダイビング器材メーカーのタバタ(TUSA)さんの企画開発部マーケティング課の方がご覧になり、さらに詳しい分析を行って下さい、結果を送って下さいました。
この方は、罹患者のダイビング中の体内窒素の変化状況から減圧症の予防法を研究をされている方です。
分析結果はとても分かりやすく解説してあり、には分からなかった発生原因や予防策などが分かりました。近くHPに掲載します。
とりあえず今回の事例から提唱された予防策としては
・安全停止を3分以上行う
→身体区画によっては、浮上中も窒素の蓄積が続いている場合があるから。
・浮上スピード
→安全停止後の浮上は1分ぐらい掛け、ゆっくりと行う。
・深場から浅場への移動を速くする。
→身体区画によっては、浮上中も窒素の蓄積が続いている場合があるから。
・休憩時間をなるべく長く取る。
でした。
もちろん予防策は上記以外にも沢山あります。私のHPをご覧下さい。
減圧症については、講習で詳しく勉強していないのが事実ではないでしょうか?
インストラクターも減圧症について詳しく勉強していないのではないでしょうか?
減圧症の発症原因は1つではありません。色々な要因が関係します。ダイビングを行うなら、減圧症やダイブコンピュータについてダイバー自身が勉強すべきです。インストラクターやガイドを頼ってはいけません。自分で判断できるようになるべきです。
減圧症の事だけではなく、ダイバーは安全にダイビングするという事をもっと真剣に考えるべきです。知識を得ること、ファンダイビングばかりではなく、定期的に技術トレーニングを行うことが重要です。
私のような素人が行ったデータ収集や聞き取り、分析については果たしてこれで良いのだろうかと、協会員にメールを送った後も何回か見直していましたが、今回それを価して下さる方が居て、さらに分析して頂き、ちょっとお役に立てた事がとても嬉しかったです。世の中には見てくれている人が居るんだなぁと思い、ちょっとだけ自信が持てました。
これからも頑張ろっ!